vol.178 基準地価

 おはようございます。オフィス・ユアーズ代表の大場久です。
 2021年度の基準地価が発表されました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、地価下落が続いているといった状況でしたね。「基準地価」とは、各都道府県が主体となって毎年7月1日の評価が9月20日頃に公表される土地の標準価格のことです。一方、公示地価は適正な地価の形成に役立てるために国が公表しているもので、一般的な土地売買の際の指標や、公共事業の取得価格の基準となっています。
 さて、国土交通省が21日発表した2021年の基準地価(7月1日時点)は、住宅地や商業地など全用途の全国平均が20年に比べて0.4%下がり、2年連続の下落となりました。新型コロナウイルス対策に伴う外出の自粛や訪日する外国人観光客らの需要低迷が長引き、繁華街など商業地のマイナス幅が拡大したようですね。地価の下落は資産価値の減少といった影響を及ぼします。これから不動産を購入される方はコストを削減できるというプラス要素になります。しかし、既に不動産を所有している方は資産の目減りといった状況になります。もし、借金をして不動産を購入されていた場合、何もしていないのに担保価値だけが下がるといったケースが考えられます。企業のように所有不動産に根抵当権を設定し、その枠の範囲内で継続的に金融支援を受けられている場合は、融資枠の減額といった最悪のケースもないわけではありません。
 中国や韓国のように不動産価格が上がり過ぎても問題ですが、下がり続けることによるリスクも考えなければなりませんね。遠いようで実は身近な問題でもある地価。これからも興味を持って推移を見ていただきたいと思います。