vol.188 地銀の業績低下の懸念

 おはようございます。オフィス・ユアーズ代表の大場久です。
 新型コロナウイルスによる業績低下の波は銀行業界にも押し寄せています。日本経済新聞の試算によれば、今後第6波が到来した場合のストレステストで、2023年3月期は全国98行の地銀及び第二地銀の内、2割強の23行で自己資本利益率(ROE)がマイナスとなるとのことです。ROEは利益の効率性を図る指標でマイナスは赤字や債務超過を示します。2024年3月期には23行が自己資本比率が国際基準の8%を下回る試算となっており、大変深刻な試算となっております。これは融資の貸し倒れ等の信用コストが増えることが要因で、コロナのダメージの大きいサービス業への融資比率の大きい金融機関ほど赤字が大きくなることが予想されます。
 金融機関の業績が悪化すれば、貸し出し金利の上昇や引き締め、貸しはがしなどの事象が起こる可能性があり、我々の生活や企業活動にも影響が出ます。今後、金融機関の動向をしっかりと見ていく必要がありそうですね。